0. はじめに歴史上の著名人も訪れた由緒ある栃木の名湯那須高原といえば那須温泉郷。那須温泉郷といえば全国的に有名な栃木県最古の「鹿の湯」をはじめとした泉質の異なる自然湧出温泉をめぐる那須七湯めぐりが有名です。その歴史は古く、奈良時代から湯治地として栄え、源頼朝や日蓮聖人、松尾芭蕉も訪れました。かつての那須七湯は時代の移り変わりとともに新陳代謝し、古き良き伝統を継承しながら、新しい時代の個性豊かな温泉が加わり、令和の時代に新たな那須七湯を形成しています。この記事では、那須温泉郷の新しい顔となる令和の那須七湯をご紹介します。いずれも日帰り入浴可能な温泉を厳選しました。自然湧出の名湯から始まる湯めぐり旅は、現代人の疲弊した心身を癒し、新たな発見と体験をもたらします。ぜひ、令和の那須七湯で心地よい湯浴みとリフレッシュをお楽しみください。1. 那須温泉郷とは栃木県最古、県内最大の湧出量を誇る温泉地那須温泉郷は、栃木県那須郡(旧国下野国)那須町に位置し、那須岳(茶臼岳)南麓に広がる自然豊かな温泉地帯です。その美しい自然環境と豊富な温泉資源から、多くの人々に愛されるリゾート地として知られています。那須温泉郷のある那須高原は、東京から約180kmの距離に位置し、東京と仙台のほぼ中間地点にあたります。那須高原には多くの宿泊施設や別荘地、史跡やテーマパーク、皇室の方が静養する御用邸などが点在し、「ロイヤルリゾート那須」として親しまれています。裾野には広大な酪農地帯が広がり、南東部には八溝の山並みに抱かれた里山の農村風景が広がります。那須温泉郷の周辺には、塩原温泉郷、板室温泉郷が広がります。2. 那須温泉郷の歴史奈良時代の文書にはすでに湯治場として登場温泉湯治の歴史は古く、那須温泉もその中心地の一つとして栄えてきました。那須温泉は、古くは奈良時代の天平10年(738年)の正倉院文書『駿河国正税帳』に登場し、小野朝臣が湯治のために訪れた記録が残されています。鎌倉時代には源頼朝や日蓮上人が、江戸時代には俳聖松尾芭蕉が訪れたことでも知られています。その後も、温泉街は度重なる災害に見舞われながらも、地域の人々の努力によって再興され、明治時代以降には鉄道や道路の整備によって交通アクセスが向上し、観光地としての発展を遂げました。かつて那須温泉郷では、湯めぐりが楽しまれ、特に那須七湯と呼ばれる温泉が観光客に愛されていました。しかし、時代の移り変わりとともに一部の温泉宿が廃業し、かつての湯めぐりができなくなってしまいました。この記事では、かつての那須七湯の伝統を継承しつつ、新時代の湯めぐりを提案すべく、新那須温泉からとくに個性豊かな温泉を3つ選び、令和の那須7湯として紹介します。那須温泉郷の歴史と伝統を感じながら、7種の異なる泉質を楽しむまったく新しい湯めぐりの旅をお楽しみください。3. 江戸時代の那須七湯江戸時代までに鹿の湯(元湯)を含む那須湯本温泉をはじめ、板室温泉、三斗小屋温泉、大丸温泉、北温泉、弁天温泉、高雄温泉が発見され、那須七湯と呼ばれました。これが最初の那須七湯です。その後、明治時代に八幡温泉が発見され、那須八湯と呼ばれる様になり、大正時代に旭温泉、飯盛温泉、郭公温泉が加わり、さらには大丸温泉からの引湯により湯本下に新那須温泉が誕生しました。これらを総称して那須十二湯と呼ぶようになりました。那須十二湯のうち板室温泉(那須塩原市)は那須町の各温泉からは地理的にやや離れていることから、那須町にある温泉を指して那須十一湯と呼ぶようになりました。このうち郭公温泉、飯盛温泉、旭温泉については天然の野天温泉であり、宿や温泉の設備が存在しないため、那須湯本温泉、大丸温泉、弁天温泉、北温泉、八幡温泉、高雄温泉、三斗小屋温泉の7つで那須七湯、これに新那須温泉を加え那須八湯と呼ぶようになりました。これが二代目那須七湯です。その後、時代の変遷とともに、弁天温泉の弁天温泉旅館、高雄温泉のおおるり山荘、八幡温泉の絶景一望閣の三湯が相次いで閉館してしまい、現在の那須四湯が形成されることとなりました。5. 那須温泉郷の変遷 江戸時代(七湯)那須湯本温泉、大丸温泉、北温泉、高雄温泉、三斗小屋温泉、弁天温泉、板室温泉明治時代(八湯)那須湯本温泉、大丸温泉、北温泉、高雄温泉、三斗小屋温泉、弁天温泉、板室温泉、八幡温泉大正時代(十二湯)那須湯本温泉、大丸温泉、北温泉、高雄温泉、三斗小屋温泉、弁天温泉、板室温泉、八幡温泉、旭温泉、飯盛温泉、郭公温泉、新那須温泉 (十一湯)那須湯本温泉、大丸温泉、北温泉、高雄温泉、三斗小屋温泉、弁天温泉、八幡温泉、旭温泉、飯盛温泉、郭公温泉、新那須温泉 (八湯)那須湯本温泉、大丸温泉、北温泉、高雄温泉、三斗小屋温泉、弁天温泉、八幡温泉、新那須温泉令和時代(五湯)那須湯本温泉、大丸温泉、北温泉、三斗小屋温泉、新那須温泉上述の通り、弁天温泉旅館、高雄温泉おおるり山荘、八幡温泉絶景一望閣が閉館したため、現在はそれら三湯に入ることができません。那須七湯の中でとりわけ鉄臭く錆びた茶褐色の弱アルカリ性の鉄炭酸泉が個性的な弁天温泉は、硫黄が香る白濁した酸性硫黄泉の那須湯本温泉に対して、那須湯本温泉の湯ただれを治す「仕上げの湯」として知られ、鹿の湯とセットでの湯治が大変人気でした。無味無臭無色透明の単純泉が半数を占める那須七湯において、一際異彩を放つ個性的な弁天温泉がなくなり、落胆する温泉ファンもきっと多いに違いありません。6. 令和の那須七湯自然湧出の天然温泉4湯と、掘削による自家源泉3湯新那須温泉を加えて那須八湯となったものの、その後令和の時代に入り、弁天温泉、八幡温泉、高雄温泉が立て続けに閉館したことで那須五湯となってしまいました。そこで以下では、残存する自然湧出の那須湯本温泉、大丸温泉、北温泉、三斗小屋温泉の四湯に加え、バラエティ豊かな新那須温泉から特に個性的な温泉を3つピックアップすることで、新たに令和の那須七湯として、日帰り入浴も可能な温浴施設と共にご紹介します。国内でも希少な自然湧出の天然温泉と、掘削による個性的な自家源泉が堪能できる、令和の那須七湯めぐりを是非お楽しみください。今は幻となってしまった弁天温泉を思わせるあの鉄臭漂う錆色の湯も登場します。7. 自然湧出の名湯四湯壱ノ湯: 那須湯本温泉「鹿の湯」http://www.shikanoyu.jp/630年に発見された、標高845mにある、単純酸性硫黄温泉(硫化水素型)で、ph2.6、硫黄の匂いととろみのある白濁した湯が特徴です。那須湯本温泉は、古くから鹿の湯として知られ、九尾の狐伝説や有名な殺生石を有します。那須温泉郷の中でも最古で、約1400年前の舒明天皇の時代(630年ごろ)に発見されました。狩野三郎行広という郡司が、白鹿を追って深い谷に入ったところで温泉の神と出会い、湯を発見しました。この温泉は鹿の湯と名付けられ、建久4年(1193)には源頼朝、文永2年(1265)には日蓮上人が訪れています。また、松尾芭蕉も「奥の細道」の旅の途中で立ち寄りました。殺生石の近くに「いしの香や 夏草あかし 露あかし」の句碑が立っています。源泉温度は63~80度と高く、湯温も高めです。入浴前には、特有の入浴法である「かぶり湯」を行うことが伝統とされています。那須温泉は日本で32番目に古く、栃木県では最古の歴史を持つ温泉であり、那須に来たら一度は入っておきたい、全国的に名高い名湯のひとつです。弐ノ湯:大丸温泉「大丸温泉旅館」https://www.omaru.co.jp/1691年に発見された、標高1300mにある、単純泉。無色透明無味無臭の湯で美肌成分であるメタケイ酸を豊富に含むのが特徴で美肌の湯とも言われます。大丸温泉は複数ある源泉のうち一つである「地蔵の湯」が那須御用邸や新那須温泉に引湯されていることでも知られています。那須温泉郷の中で車で行ける温泉のうち最も標高が高いところに位置し、奥那須温泉とも呼ばれます。大丸温泉旅館の5つの源泉が流れ込む温泉の川をせき止めた「川の湯」が有名です。黒羽藩主大関氏や乃木希典夫妻がよく訪れたことでも知られています。参ノ湯:北温泉「北温泉旅館」http://www.kitaonsen.com/mokuj.htm770年に発見された、標高1100mにある、単純泉。無色透明無味無臭のサラサラとしたお湯が特徴です。奈良時代の宝亀年間(770年)に、大天狗が日光山から出羽の国へ行く途中に発見したと言われていますが(天狗面の由来)、温泉の由来や起源の詳細は不明です。源泉の岐路が多いことから「岐多温泉」と記された暖簾が残っています。明治時代の漢字が統合されていく過程で北温泉となったとされていますが、古くは喜多温泉という記述もあります。現存する北温泉旅館(創業1858年)は映画「テルマエ・ロマエ」のロケ地にもなりました。目や胃腸などに効く「目の湯」や、源泉から10mの場所にあり大きな天狗の面がかかる「天狗の湯」は、滝のように湯が流れ出ています。温泉プールやうたせ湯などバラエティが豊富です。四ノ湯:三斗小屋温泉「煙草屋旅館」https://www.tabakoyaryokan.com/1142年に発見された、標高1450mにある、単純泉。無色透明無味無臭の湯が特徴で、登山をしないと入れない奥那須の秘湯です。三斗小屋温泉は、那須ロープウェイ山頂駅を降りてから最短でも2時間という登山ルートを経なければたどり着けない奥地にあり、歩いてしか行けない奥那須の秘湯と言われています。茶臼岳の東にそびえる朝日岳(1,903m)の西斜面、標高約1,500mの高地に湧出し、那須町地内にある那須塩原市の飛び地に位置します。飛び地のため住所は那須塩原市板室ですが板室温泉郷ではなく那須温泉郷に属します。三斗小屋温泉は、康治元年(1142)、奥州信夫郡信夫村の生島某により発見されたと伝えられています。元禄8年(1695)には、鬼怒川回りの会津西街道が天災で遮断されたため、会津から江戸への陸路として新しく会津中街道が開かれました。三斗小屋温泉が賑わうようになったのは、この会津中街道沿いに三斗小屋宿、板室宿が設けらてからです。最盛期の明治元年頃には5軒の宿が営業していましたが、現在では総檜造りの内湯で温泉が満喫できる「大黒屋旅館」と、眺めのよい大露天風呂、木造りの浴槽の内湯がある「煙草屋旅館」の2軒のみが、冬季を除く4月から11月にかけて営業しています。シーズン中は登山客や秘湯を求める湯治客に人気があります。旅館は自家発電のため、午後9時の消灯後はランプがともされ、大自然のまっただ中の温泉で、人工的な光に邪魔されない満天の星空を楽しむことができます。三斗小屋の名称の由来には諸説があり、三斗小屋へ行く峰路を越すには牛といえども三斗以上の米は運べないとの説や、三斗小屋温泉へ運ぶ米俵は三斗が一俵であるなどの説があります。8. 個性豊かな新那須温泉のおすすめ三湯新那須温泉は、大正12年(1923年)、大丸温泉の源泉から木管と自然流下を利用した引湯に成功し、那須温泉の南、旭橋の下手に旅館が開業したのがはじまりです。広義には那須ICから那須街道沿い一帯が属します。大正15年(1926年)に那須御用邸が完成すると、それ以降、別荘地やホテル、旅館、会社の保養所などが増え、那須高原を代表する保養地となりました。御用邸には大丸温泉裏の「桜の湯(湯温80度)」にはじまり、途中から「地蔵の湯」、「旭の湯」を、それぞれ標高1300メートルから700メートルまでの600mの高低差を利用して引湯されており、御用邸に流れ込む頃には湯温が45度前後になるそうです。いずれも無色透明無味無臭の単純泉で、これらを「那須温泉」と言います。大丸温泉由来の引湯をしている那須温泉は基本的には単純泉となりますが、湯本温泉からの引湯は硫黄泉、酸性泉、硫酸塩泉などであり、これらを総称して「那須高原温泉」と呼び、前述の「那須温泉」と区別しています。このように新那須温泉は、単純泉の「那須温泉」と、それ以外の「那須高原温泉」で構成されているため、一口に新那須温泉と言っても、施設ごとに「那須温泉」と「那須高原温泉」を選択したり混合したりして工夫を凝らしているため、泉質が多種多様で個性的となるのが特徴です。伍ノ湯:新那須温泉「自在荘」https://jizaiso.co.jp/御用邸にも引湯されている大丸源泉由来の「地蔵の湯」を使用した、由緒を感じる新那須温泉の温泉旅館です。新那須温泉の由来は前述の通りですが、由緒違わぬ当時の新那須温泉が感じられる貴重な温泉です。また、御用邸と同じ湯を引湯していることから、日本国民にとっては御用邸の湯に思いを馳せる特別感もあります。無色透明で肌に優しい泉質は、刺激が少なく癖がありません。溶存物質が1000mg未満の単純泉ではありますが、メタケイ酸が234mgも含まれています。メタケイ酸は美容液や乳液剤にも使われる美容成分で、100mg以上含まれると美人の湯と言われます。150mgを超えると湯にとろみを帯び、著しく効能が高まると言われています。もはや化粧水に全身入浴していると言っても過言ではありません。源泉となる大丸温泉には及びませんが、引湯をする新那須温泉の中ではトップクラスの美人の湯と言えます。浴室はこじんまりとしていますがけして狭苦しいわけではなく、プライベート感が程よい居心地の良い温泉です。露天風呂には、ジャグジーや半身浴も併設しています。内湯と外湯があり、外湯は露天風呂が2つあります。すぐ目の前が渓谷になっており眺望がとても良いです。さらに、温泉旅館ならではの魅力として、「昼食+温泉」、「夕食+温泉」プランがあり、宿泊しなくても温泉旅館の醍醐味を十二分に楽むことができます(※冬季休業)。■料金と営業時間■日帰入浴 大人1,000円、子供700円(税込)※道の駅・観光協会にて割引券|大人700円、子供500円あり入浴時間 14:00から18:00まで 六ノ湯:新那須温泉「ホテルサンバレー那須」https://www.nasu3800.co.jp/引湯2本、自家源泉3本を含む5源泉(日帰りは4源泉)からなる多彩な泉質と16槽の湯船が織りなす湯遊天国です。ホテルサンバレー那須は温泉の三養(保養・療養・休養)と癒しをコンセプトにしており、お子様からご年配の方まで楽しめるスパリゾートホテルです。温泉のほかにも塩サウナ、ドライサウナやミストサウナ、ジャグジーバスを中心に、寝湯やアクアポット(洞窟風呂)、シェイプアップバスやエステバスなどおもしろくて楽しい温泉プールもあります。家族や友人・恋人同士、大人から子どもまで存分に遊べるプールは、なんと18種類もあります。施設によっては宿泊客しか利用できなかったり、営業時間が異なりますので必ず公式ページで調べてから行くようにしましょう。多種多様でバラエティに富んだ浴室につい注目しがちですが、自家源泉を含むオリジナルブレンドの混合泉が楽しめるホテルサンバレーの泉質は、温泉ファンも十分に満足させてくれます。日帰りで楽しめる4源泉は、大きく3種類に分類され、硫黄泉(引湯)、弱アルカリ泉、マグネシウム泉があります。引湯されている硫黄泉は硫黄臭のする白濁した温泉で、那須らしさを堪能できます。那須湯本温泉の酸性とは異なりこちらは中性で、硫化水素ではなくチオ硫酸が主体となった国内でも珍しい安全な硫黄泉です。自家源泉の弱アルカリ泉とマグネシウム泉は、共に溶存物質が1000mgを超える濃厚な温泉で、弱アルカリ泉は成分総計が2500mgを超えます。また、2種類あるマグネシウム泉は、マグネシウムが147mgのものとメタケイ酸が152mgのものとがあります。マグネシム泉は正苦味泉(せいくみせん)と言い、国内ではそのほとんどが北海道にあると言われている貴重な温泉です。メタケイ酸は美容液や入浴剤に含まれる美容成分で、100mgを超えると美人の湯と言われ、150mgを超えるととろみを帯びて著しく美肌効果が高いと言われます。北海道に行かないとなかなか味わえない希少なマグネシウム泉を関東で味わえるのはお得感があります。■料金と営業時間■日帰入浴 平日大人1,000円、子供500円、65歳以上700円(税込)※土日祝祭日は1.5倍料金入浴時間 10:00から21:00まで(最終入場20:00)七ノ湯:新那須温泉「TOWAピュアコテージ」https://www.pure-cottages.jp/成分総計驚きの5000mg超え!弁天温泉ファン垂涎の鉄臭香る茶濁色のミネラルリッチな自家源泉「那須ハイランド温泉」です。全国の温泉フリークが魅了される那須の隠れた名湯ですが残念なことにあまり知られていません。まさに穴場!ナトリウム・マグネシウム・カルシウムー炭酸水素塩・塩化物泉(低張性中性低温泉)という長くて複雑な名称ですが、それだけ天然のミネラル成分がたっぷり含まれているということがわかります。成分総量が5263mg(H22年分析)と、那須エリアトップと言っても過言ではない温泉成分量を誇ります。ちなみに、溶存物質が1000mgを超えないものを単純泉と言い、超えるものには単純が付きません。上述した那須四湯はいずれも成分総計は1000mgをやや超えるものの、溶存物質が1000mg未満のものがほとんどなので「単純」とつく温泉となっています。さて、那須ハイランド温泉の特徴的な成分をピックアップすると、鉄Ⅱイオン9.5mg、ナトリウム632mg、マグネシウム180mg、カルシウム255mg、メタケイ酸174mgとあります。あの独特な鉄臭香る茶濁色の温泉はこの鉄分とマグネシウムに由来します。鉄分が20mg以上はないので「含鉄泉」には分類されませんが、十分にその個性と効能を実感できる量です。鉄臭といえば、今はなき那須七湯が一つ、あの弁天温泉を思い出します。弁天温泉の鉄成分はわずかに1mg程度でしたが、弁天温泉といえば「鉄臭香る笹濁りのお湯」が脳裏に浮かぶファンも多いのでは。TOWAピュアコテージの温泉は、その弁天温泉の約10倍もの鉄分を含む茶濁湯です。鉄分に目がない赤湯ファンにはたまらない一湯です。笹濁りになるのはマグネシウムが100mg以上含まれるからでこれを正苦味泉(せいくみせん)と呼びますが、国内ではほとんど北海道に集中する貴重な温泉と言われます。マグネシウム含有量が180mgですから、国内有数の正苦味泉であると言えます。このようにミネラル豊富な那須ハイランド温泉は、保温、鎮静、抗炎、美肌に効果が期待できます。美肌といえば、美容液や入浴剤に含まれる美容成分のメタケイ酸がなんと174mgも含まれています。自在荘の紹介で書きましたが、メタケイ酸が100mg以上あると美肌の湯と呼ばれ、150mgを超えるとトロミを帯びて顕著に効果があると言われます。美肌の湯ファンの間では「天然の化粧水に浸かる」と言うとか言わないとか。マグネシウムもメタケイ酸も前述のホテルサンバレー那須よりも多く含まれるため、芯まで温まってきれいに、そして健康になる、国内でも有数の「天然の美容治癒温泉」が那須ハイランド温泉の特徴と言えます。内湯と外湯(露天風呂)があり、内湯は普通のお湯で外湯が源泉かけ流しの露天風呂です。■料金と営業時間■日帰入浴 <外来>大人1,150円、子供550円(税込)※宿泊客は大人600円、子供275円(温泉付客室をご利用のお客様は無料)入浴時間 5:00から10:00、13:00から23:00まで9. まとめご訪問前の最新情報のチェックをお忘れなく時代の移り変わりとともにかつての面影を失っていくのは、日本全国どこの温泉地も共通ではありますが、ここ那須温泉郷ではここには書ききれない個性的で魅力的な新しい温泉が次々と生まれています。この記事では、かつての面影を今に残す自然湧出の天然温泉4湯と、バラエティ豊かで個性的な掘削による自家源泉3湯を令和の那須七湯としてご紹介しました。単一の源泉に依らない、多種多様な源泉が織りなす新時代の那須温泉郷と、日帰り入浴可能な令和の那須七湯はいかがでしたでしょうか。自然環境に恵まれ、四季折々の楽しみ方がある那須温泉郷ですが、降雪地帯であることから中には冬季休業する施設もございます。ご訪問前の最新情報のチェックはお忘れなく。今回ご紹介した令和の那須七湯はいずれの施設も自信をもってオススメできる施設ばかりです。日帰り湯めぐりも良いですが、それぞれの施設で宿泊しながらの湯治旅もおすすめします。令和の那須七湯で新しい湯めぐりの旅をお楽しみください。